施設長の、悩みは尽きませんが、最近、激しく落ち込んでいることは、トイレに設置した、ハンド・ドライヤーのことです。
ケアステージ恵み野は、共同トイレとなっておりまして、入居者様が利用後に、各自手を洗って、手拭きのタオルで、手を拭いてもらうスタイルでした。
ところが、ある時、汚物の付いたタオルが、掛けられていることに気が付きました。
直ぐに、タオルを外して、周囲に塩素水を掛け消毒し、タオルを交換しました。
原因を探ったところ、ある入居者様が、トイレの紙が無くなり、手拭きタオルでケツを拭って、戻した疑惑が、濃厚となりました。
頻繁に、タオルが無くなるのも、その入居者様が原因でした。
不潔で、常軌を逸した行為を止めるように申し入れましたが、自分はやっていないと、やったことを認めることはありませんでした。
そこで、ハンド・ドライヤーを設置し、タオルを撤去しました。
最初は、これで、問題解決と、思いましたが、神様は、さらに色々な試練を準備していました。
認知症の入居者様の一人ですが、ハンド・ドライヤーの風圧が気に入ってしまったのか、1度使いだすと、5分以上、乾かし続けるという事態が発生しております。
どうも、ご本人は、マッサージ機と思っていらしく、肘までを、まんべんなくハンド・ドライヤーに、何回も入れ続けます。
皆様が寝静まった深夜、トイレに響くハンド・ドライヤーの轟音と、恍惚の笑みを浮かべなら、延々と手を乾かし続ける老婆の姿という、近所迷惑で鬼気迫るシュールな状況が出現してしまい、現在は、どのように解決するか途方に暮れているところです。
ケアステージ恵み野では、10月1日から、トイレにトイレット・ペーパーを置くのを止めております。
その理由は、特定の入居者様にはペーパーは、無料で使い放題という思い込みがあるのか、おしっこをする時でも、何メートル分も丸めたペーパーを、膝の上に、何個も準備し、出るときに、全てトイレに流すという行為を、特定の入居者様は、繰り返すことを日課にしており、他の利用者様から、使いたいときにペーパーが切れているという苦情を何度も受けたために、苦肉の策として、実施したものです。
スタッフからは、ペーパーを置かないと、新聞紙でお尻を拭ったり、ティッシュ・ペーパーを流したりして、トイレが詰まるので、やめたほうが良いという意見もあって、実施を半年ほど躊躇していましたが、見つけたら、その都度声がけすることを行うことで、防止しようとの話になり、実施しました。(何を流しているのか、何回もトイレは、詰まっています。)
ペーパーを置かなくなって、紙が切れているという苦情が無くなり、また、ペーパー代が自己負担になったとたん、トイレを流す回数と、トイレの占有時間が減り、施設側のメリットは、かなりあったと思います。
入居者様には、大変申し訳なく思っております。
ここまで、長文を読んでいただき、大変ありがとうございます。
読んだ皆様には、おそらく、共通の疑問が浮かんだことと思います。
なぜ、ペーパー・タオルを使わないのか、と。
実は、かなり以前に、ペーパー・タオルを設置したんです。
洗面台のある所には、全て設置しましたが、これが、トイレット・ペーパー以上に入居者様には人気で、収集癖のある認知症の入居者様が、みんな持って行ってしまうのです。
注意しても、私は泥棒じゃない。陥れようとしてそんなことを言っているんだと、テレビ・ドラマのような反応をするわけでございまして、タオルの設置にした経緯があります。
想像ですが、また、ペーパー・タオルに戻しても、今度は、トイレに流されそうで、置くことはできません。
ご本人の退去という選択肢は考えず、皆様が、より清潔に、より快適に暮らせる方法を考えて実行します。
また、ご報告いたします。